Airffic InstituteAERIAL PHYSICAL AI

空のフィジカルAI研究所

Vision AI:ドローンは見たものをどう「わかる」のか

見えとるだけでは飛べん。見たものの意味がわかって、はじめて頭脳になる。

結論: ドローンのVision AIは、①物を見つける(検出)、②追いかける(追跡)、③自分の位置を知る(SLAM・VIO)、④言葉で指示を理解する(基盤モデル)の4段階で進化してきた。いまは④の入り口に立っとる。

更新: · 約3分で読める調べ方 →

Sir Airffic Goここは論文の世界の話が多いけど、言葉はかみくだいとるけえ、ついてきてつかあさい。

わかることの4段階

  1. 検出:写真の中から「人」「車」「電線」を四角で囲んで見つける。
  2. 追跡:見つけた物が、次の瞬間どこへ動いたかを追いかける。
  3. 自己位置推定:カメラの映像の動きとIMUから、自分がどこへどれだけ動いたかを計算する(VIO:Visual-Inertial Odometry)。
  4. 理解と指示:「赤い屋根の家の裏を見てきて」という言葉を理解し、見たものと結びつけて飛ぶ(VLM:画像と言葉を同時に扱うAI)。

地図を作りながら飛ぶ:SLAMとVIO

2000年代後半、大学の研究室はカメラ1台とIMUで小さなドローンの位置を推定することに成功し始めた。これがすべての始まりじゃ。

その後、SVOやVINS-Mono、ORB-SLAMといった方式が公開され、だれでも使える土台になった。公開された研究が、のちの製品の部品になったわけよ。

いまの業務用ドローンが橋の下や屋内で飛べるのは、この積み重ねのおかげじゃ。

空から見ると、物は小さくて斜めになる

地上で撮った写真で鍛えたAIは、空から見下ろした写真が苦手じゃ。人は点のように小さく、車は真上から見ると形が変わる。

そこでVisDroneやDOTAのような「空から撮った写真のデータセット」が作られ、空専用のAIが鍛えられるようになった。

データセットを持つ者が、AIの賢さを決める。この構図は、いまの基盤モデルの時代でも変わっとらん。

Sir Airffic GoAIの差は、アルゴリズムよりも「どれだけ空のデータを持っとるか」で決まりやすい。ここは参入戦略にも直結するけえ覚えといてね。

AIが人間のチャンピオンに勝った日

2023年、チューリッヒ大学のチームが作ったAIドローン「Swift」が、ドローンレースで人間の世界チャンピオンに勝った。その成果は科学誌Natureに載った。

Swiftは、カメラとIMUだけで自分の位置を知り、シミュレーターの中で何度も練習して学んだ「強化学習」で飛んだ。

ただし、決まったコースでの話じゃ。天気も障害物も変わる現実の空で、同じ強さを出すのは次の課題として残っとる。

Champion-level drone racing using deep reinforcement learning (UZH)

チューリッヒ大学のRobotics and Perception Groupが公開した、AIドローン「Swift」の映像。 YouTube ↗ · 押すまで外部の通信はせんよ

次の波:見て、考えて、言葉で動く

2023年ごろから、画像と言葉を同時に扱う大きなAI(基盤モデル)が、ロボットの頭脳に使われ始めた。

ドローンでも「言葉で指示すると、見たものを理解して飛ぶ」研究(空中のVision-Language Navigation)が増えとる。

ただし、大きなAIは計算が重く、機体の上で速く動かすのはまだ難しい。だから次のページで見る「チップ」の進化と、セットで見る必要があるんよ。

よくある質問

ドローンの画像認識はどんな仕事に使われていますか?

送電線や橋の点検でのひび割れ検出、農地の生育診断、捜索救助での人の発見、警備や交通の監視、配送先の安全確認などに使われています。

VIO(Visual-Inertial Odometry)とは何ですか?

カメラの映像の動きと、IMUが測る加速度・回転を組み合わせて、自分がどれだけ動いたかを計算する方法です。GPSが使えない場所でも飛ぶための基本技術です。